講演会「片づけはこころのほほえみ」
ライフステージに応じたお片づけ術
講師 芳賀裕子氏(整理収納アドバイザー・
お片づけコーチングStudio HAGA主宰)
出席者 77名
「片づける」を考えたとき、昨今一大ブームとなっている断捨離で、ただ闇雲にモノを減らしていくことや、見栄えをよくすっきり収納することが片づけではないのだと、目から鱗でした。
芳賀先生のお話はとても面白く、ご参加くださった皆様も講演会を楽しんで頂けたようです。
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整理とは目的のために不要なものを取り除くことです。整頓とは見栄えよく整えることです。
見た目の整理よりも、必要なものがすぐに取り出せて、すぐに使える状態にしておくことが大切です。
片づけ脳は男前:
片づけの能力は①物ごとを俯瞰して②最終的に片づいたイメージを持ち、その片づけ作業について③段取りを構築しなくてはならないのです。片づかない理由よりも「どう片づけたいのか」を考えることが大事です。探す時間を少なくする時間的効果なのか、収納の地代や、二度買いを防止する経済的効果か、自分以外の人とも片づけを先を共有してすっきり見た目も良い状態、精神的効果を目的とするか。
片づけや整理をするとき、私たちは自然と同じモノをまとめたり、一緒に使う道具をまとめたりしています。なぜなら、使う時に探し出す手がかりとして便利で都合がいいからです。モノの収納は、使う時のことを考えてすぐに取り出せるということが大原則です。
人は、物を探す時に「見当識」という能力でモノを探していきます。どこにモノがしまってあるか、その場所、おおよその分類の
見当をたどって探しています。見当がつかなくなったら、それは認知症の始まりとも言われています。
誰もがわかる分類や見当がつくカテゴリーなら困りませんが、人によってこのカテゴリーの分類が自分の見当と違っていることもありますので、情報整理と共有(家族や会社で)が大切です。
収納のヒント:
モノを収めるときに、一番重要なのが、取り出しやすいかどうかです。インテリア性や見た目を重視する人の片づけでは、取り出しにくい収め方をしている場合が多くみられます。取り出しにくいから、当然しまいにくくもあるのです。収納の基本は、使う時のことを考えてしまいましょう。
モノや書類の情報は使われてこそ、収めるときには、開けたら一目でモノが見える視覚化が一番大事です。
クローゼットやキャビネットならタイトルや洋服そのものが見えるように、引き出しなら重ねずに、引き出した時に奥まで見渡せるように、手前から奥へ並べるのではなく、左から右へモノを収めます。そうすれば、引き出しをほんの5センチ引き出してもすべてもモノが見渡せますよね。
押し出す工夫:
片づけで一番つまずくのが「たまっていくばかりのモノ」の減量化。
書類、食器類、衣類・・・。重複しているものを、バッサリと断捨離できれば良いけれど、いつか参考にするかも?の書類、いつか痩せたら着るかも?の服、暇ができたら読むかも?の本。いつか・・・の使用目的をのない書類ほど保管の意味をなさないものはありません。
モノを戻すときのルールにも、モノの処分に有効な方法があります。
使ったら一番上に、一番左に、一番手前に戻す。動かなかった下のモノ、右のモノ、奥のモノが長い事使わなかったモノと明確になります。ここの見直しからはじめれば、使用頻度から不要なものが明確になりますね。
日用品のストックも同じです。消えモノとよばれるものの管理は、未使用のストック管理こそが大事です。
保管の目的、使用頻度、ストックの管理を考えながら断捨離をしみてください。
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<芳賀裕子氏プロフォール>
整理収納アドバイザー、ハウスキーピングコーディネーター、環境教育コーディネーター。
海外在住通年14年、引越25回、国内外14軒の住み替えを経験。これらを活かし訪問型お片づけコーチングStudio HAGA主宰。1000軒以上の家庭のシンプルで新しい「暮らしかた」の整理収納のアドバイスを行う。
著書多数、講演・雑誌掲載など多岐にわたり活躍中。